一般的なラグビーは1チーム15人で行いますが、他にも
- タックルの代わりに腰につけたひも(タグ)を取る「タグラグビー」
- タックルの代わりにボールキャリアにタッチする「タッチラグビー」
- 小学生のための「ミニラグビー」
- 中学生のための「ジュニアラグビー」
- 7人制ラグビーの「セブンス」
など、実はラグビーにはいろいろあります。
本スクールでは、タグラグビーおよびミニラグビー(小学生)、ジュニアラグビー(中学生)を中心に取り組んでいます。
タグラグビー
タグラグビーは、ボールを抱えて走ったりパスをしたりしながら前へ進んでいくのはラグビーと同じですが、体と体がぶつかり合うタックルの代わりに、全員の腰に付けたひも(タグ)を取ります。
守る側はボールを持って走ってくるプレーヤーのタグを取ることで、前進を止めます。小学生低学年でも安全にプレーできるため、神奈川県でも体育の授業に取り入れる小学校が増えています。

(公財)日本ラグビーフットボール協会より
■試合での一般的なルール
- タグの回数は4回です。
- ゲームの開始時およびリスタート時のオフサイドラインは5mです。
- トライは両足がゴールラインを超えていなければ認められません。
- プレーヤーはインゴール内でもパスをすることが出来ます。
- プレーヤーはタグ0回時に何度でも交代できます。
■注意事項
- タグラグビーは全ての身体接触および身体接触を誘発するようなプレーが禁じられています。タグをとりにきた手を払う、体当たりをする、相手をつかまえる、両手を広げて守ることは危険なプレーとみなされ反則となります。
- タグを取られた後、ボールを持ったまま3歩を超えて動いてしまった場合は「オーバーステップ」の反則になり、その場所から相手チームのフリーパスでゲームを再開します。
- ボールを持っているプレーヤーは、タグをとりにくるプレーヤーから身をかわしてよいですが、タグをとることをじゃましたり、とられないように手で押さえたり隠したり、ジャンプしたり体を一回転以上させることはできません。
ミニラグビー
ミニラグビーはラグビーフットボールの魅力を感じてもらうために幼児、小学生を対象につくられた子供たちのためのラグビー型ボールゲームです。
ミニラグビーの競技規則はプレーヤーの発育、発達を考慮し、安全に楽しくプレーできるようにグランドの大きさ、プレーヤーの人数、ボールのサイズ等、年齢別に低学年(1・2年生)、中学年(3・4年生)、高学年(5・6年生)と段階的に制定されていますので、ラグビーを全く知らない子供がどの年齢から始めてもすぐに親しむことができます。
■学年ごとのミニラグビーのルールの違い(日本協会ルール)
| 低学年 | 中学年 | 高学年 |
1チーム人数 | 5人 | 7人 | 9人 |
-フォワード | 1人 | 3人※1 | 3人※1 |
-ハーフバック | 1人 | 1人 | 2人※2 |
-バックス | 3人 | 3人 | 4人 |
ボールサイズ | 3号 | 3号/4号 | 4号 |
キック | なし
(プレー開始・再開のタップキック※5を除く) | あり
(手で持ったボールのキックはOKだが、地上にあるボールのキックはNG) | あり
(地上にあるボールのキックもOK) |
スクラム※3でのボールの奪い合い | なし | なし | なし |
スクラム※3人数 | 1名 | 3名 | 3名 |
スクラム※3の解消 | ハーフバックのパスをバックスがキャッチした時 | ハーフバックがボールをパスした時 | ハーフバックがボールに触れた時 |
ラインアウト※4でのボールの奪い合い | なし | なし | あり |
ラインアウト※4の方法 | ボール投入側のプレーヤーが味方側にパスする | ラインアウトに並ぶのは1チーム2名で、ボール投入側がジャンプしてボールをとり、ハーフバックにパスする | ラインアウトに並ぶのは1チーム2名で、双方ボールを奪い合う |
コンバージョンキック※6 | なし | なし(ただし、神奈川県ではあり) | あり(ただし試合規定による) |
得点 | トライ5点 | トライ5点 | トライ5点、コンバージョンキック※62点
|
※1:フォワードが3名の場合は、左から左プロップ、フッカー、右プロップと呼びます。
※2:低・中学年はスクラムハーフ1名、高学年はその後ろにスタンドオフがついてハーフバックを形成します。
※3:スクラム:ノックオン(選手がボールを前に落とすこと)やスローフォワード(ボールを前に投げること)等の反則があった場合は、レフリーが笛をふいて試合を止めて、そこから相手チームのスクラムとなります。またボールが出ない時にもレフリーが笛を吹いてスクラムにする時があります。
※4:ラインアウト:ボールまたはボールを持ったプレイヤーがタッチライン(競技を行う長方形のフィールドの長い方の境界線)を越える、または触れた場合にラインアウトとなります。
※5:タップキック:ボールを地面に置き、手を使わず足だけでボールに触れること。
※6:コンバージョンキック:トライ後のゴールキックのこと。ゴールポストにボールを蹴り込み、ゴールポストのクロスバー上を超えると得点となります。
■ミニラグビー競技規則(p.23-)

■神奈川県ミニラグビー大会のルール
- トライ後のリスタートのキックオフは、得点されたチームから再開する(日本協会ルールは得点したチームから再開する)。
- キックオフは、原則としてドロップキックにて行う(日本協会ルールでは中学年はパントキック、プレースキックが許される)。但し、中学年において技術が未達なためドロップキックができないとレフリーが判断した場合は、プレースキックで対応をする。
- 中学年・高学年ともコンバージョンキックを行う(日本協会ルールは中学年のコンバージョンキックなし)。
- スクラムのオフサイド解消は、ハーフがボールに触れた時点で解消される。ハーフが足でコントロールしている場合は、解消ではない。オフサイド解消については、レフリー判断に委ねる。
- ゴールライン5m以内でデフェンス側が反則をした場合、レフリーは速やかにマーク地点を示す。アタック側は、リスタートしても構わない。(デフェンス側が5m下がるまで待つ必要はない)
- 危険なプレーをした場合は、試合を中断し、注意をしてからプレーを再開する。
- ハンドオフの見解はレフリ-の判断に委ねる。
動画で見る15人制ラグビーのルール
15人制ラグビーと小学生向けのミニラグビーはルールが異なる点もありますが、反則や得点方法など基本は同じです。YouTubeに15人制ラグビーのルールを解説した動画がありますのでご参考ください。
ミニラグビーの場合は、
・プレー人数は小学校低学年の場合で5人、中学年で7人、高学年で9人です。
・コンバージョンキックは高学年のみです。
(ただし試合規定によってコンバージョンキックがない場合があります。)
・ペナルティの場合は、反則地点から5m下がった地点から、反則しなかったチームのタップキックでプレー再開します。
ミニラグビーの場合は、
・22mではなく10mです。
(公財)日本ラグビーフットボール協会 公式チャンネルより
ミニラグビーのコーチング
■タッチジャッジを務めるにあたって
ミニラグビーの交流会や大会において、コーチや保護者にタッチジャッジ(アシスタントレフリー)をお願いすることがあります。タッチジャッジをされる際は、以下の点に留意してください。
- タッチジャッジはレフリーのアシスタントですので、中立の立場です。ゲームが始まったら、自チームの応援や指導はしないでください。
- 服装はレフリーと同様の服装をするようにします。
- ブリーフィング時には、ボールとタッチジャッジ用フラッグを持参します。
○ゲームの開始
- ゲーム開始の整列の際は、自チーム側に並んで一緒に挨拶をします。
- 自チームの攻撃方向の左側のサイドを担当します。前後半でサイドが入れ代わりますので、タッチジャッジの位置も交代します。
- キックオフの時は、防御側チームの5mラインの位置に立ち、オフサイドラインを示します。
- キックオフと同時に時計をセットしてタイムを計ります。
○タッチ
- ボールがタッチラインを超えるか触れるか、またはボールを持ったプレーヤーがタッチラインを超えるか踏むかしたら、直ちに旗を真上に上げ、”タッチ”とコールし、ボールを投げ入れるポイントに素早く移動します。ポイントに移動したら、ボールを投げ入れる権利があるチームの方に、腕を水平に上げて示します。
- ラインアウトの反対側のタッチのタッチジャッジは、ラインアウトの中心線から5m下がった位置に立ち、防御側のバックスのオフサイドラインを示します。
- タッチになった場合、ラインアウトが解消するまで旗は上げたままにします。
- キックされたボールがダイレクトタッチ※7になった場合は、旗を横に寝かせ、両腕で支えて頭上に上げます。
○スクラム
- スクラムの時は、高学年の場合は自分のチーム側を、中学年と低学年は防御側のオフサイドラインを示します。オフサイドラインは、スクラムの最後尾(かかとの位置)から3m下がった位置です。
- オフサイドラインの解消は、低学年の場合はハーフのパスをバックスがキャッチした時、中学年はハーフのパスアウト、高学年はハーフがボールに触れた時です。
○トライ
- トライの確認をします。レフリーから死角になっていたり、ノックオンかトライか微妙な時などに、レフリーが確認することがありますので、助言をします。
○ゴールキック
- ゴールキックが行なわれる場合には、タッチジャッジは、それぞれゴールポストの後方に立ちます。ボールがクロスバーを越え、ゴールポストの間を通った場合には、旗を上げてゴールを合図します。ノーゴールの時は、そのままで旗を横に振る必要はありません。
○その他
- ペナルティキックのオフサイドラインは5mです。
- ゴールラインから5m以内やインゴールで反則が起きた場合、全て5mラインでの再開になります。
- オフサイドラインより前に出ている子どもには”下がって”と声をかけます。
○ゲームの終了
- ゲームが済んだら、開始時と同じくレフリーの横に並び挨拶をします。レフリー同士および選手と握手をします。
- ノーサイドになったら、自チームのコーチの立場に戻ってください。
○安全確認
- 選手がふらついていることを見逃さないようにしてください。脳震とうや熱中症の可能性があります。
- 頭頸部に傷害がありそうな場合は動かさないで、ドクターかチームのセーフティアシスタントを呼んでください。
○旗の使い方
- オフサイドラインを示すときは、旗を持っていない方の手で示します。
- 旗を持った手をグラウンド内に差し出すことを「フラッグイン」と言って、レフリーに対し、レフリーが気づいていない反則や危険なことがあることをアピールする仕草になります。
※7 ダイレクトタッチ:味方の陣地(自陣)の10メートルラインの前(自陣から見て外側)からキックをして、バウンドせずにタッチにそのまま出てしまった場合を、ダイレクトタッチと呼びます。前に進むことができずに元の場所に戻ってしまうことになりますので、キックとしては失敗といえます。ただし、10メートルラインの前からでも、キックしたボールがタッチラインの内側でバウンドしてからタッチラインの外に出た場合は、ボールが出た場所から相手のラインアウトでゲーム再開となります。
■コーチング教材
ミニラグビー コーチングガイド(JRFUより)
ミニラグビーのレフリーをしよう(神奈川県ラグビーフットボール協会より)
相模原市ラグビーフットボール協会 さがみ・南ラグビースクール